正月二日。
月があんなにキレイだったんだから、日の出はどうよ。
というわけで走りに行くことに。本日の日の出は佐賀は7:23とのことなので6:40頃出発。
そうか、今日はスーパームーンだった。でっかい月だ。その月が今まさに沈もうとしていた。ラッキーだな。
そして目指す有明海に到着。予定通り7:20過ぎに着き、日の出を待つ。
そうしている間も海苔船がひっきりなしに出て行く、彼らは冬の間、有明海の潮の干満の潮目を見て海苔を摘みに行く。海の中に張っている網に海苔がついて伸びたものを摘み取るのだ。養殖というと、のんびりと育ててたまに餌をやって収穫するように感じるが、海苔の養殖は過酷な職業だ。冬の間、海苔漁師は休むことなく潮の干満の具合を見ながら夜中や明け方に海に出て行く。九州とはいえ海の上は身を切るような寒さだ。その海の中に手を入れて網を上げて摘み取る。摘み取った生海苔を水揚げし自宅に持ち帰り、所定の型に入れて乾燥させて製品の状態にしてその日の作業が終わる。そしてまた夜中や明け方に海に出る。その繰り返し。正月も何もあったもんじゃない。そうやって冬の間に1年間の収入の全てを稼ぐのが海苔漁師なのである。暖冬の年は収穫が減る。彼らは網の管理などの自分の努力だけでなく、多くを自然に依存しているので海の状況が変わることには敏感だ。そんな漁師の苦労を思い出しながら日の出るのを待つ。
じわじわと明るくなった東の空から太陽が顔を出す。日の出だ。
なんだろうこの感動は。
日頃は会社へ向かっているこの時間に有明海ではこれだけの自然のドラマがあったなんて。視野の狭い生き方はよくないな。たまにはこの海を見に来なければ。
有明の海に感動した正月だった。